なぜ地方ビジネスが現代に必要不可欠なのか?

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私の体験した地方と都会の格差

 私が考える地方ビジネスの必要性を、私の体験した中から少しでもお伝え出来たらと思う。まずは、生まれた土地で就職して定住した自分について考えてみた。私は高校を卒業した後、東京の大学に進学した。進学の際に将来について考える機会だったけど、自分が何になりたいかなんて、18歳の私は全くノープランだった。スポーツ推薦でたまたま入れた大学に何となく通い、何となく4年間が過ぎた。スポーツは好きだったので、それに没頭した事でそれなりの充足感は感じた。またそれ以上に東京という大都会で暮らすのが凄い刺激になったのは言うまでも無い。

そして、いざ就職って時にも将来について明確な目標は持っていなかった。大学卒業後は、親の勧める地元の企業に就職し、一度も辞めることなく30年近く勤務している。入社初年度は、県外の子会社に出向する事になり、そこから10年ほど勤務して本社に復帰した。後にその10年が私の仕事に対する確固たる信念が芽生えるキッカケとなる。子会社での10年間で、4回転勤し、4つの県に住むという経験をした。地元→東京の2ヶ所から、転勤という理由から新たに4ヶ所住むことが出来て、地域の違いや格差を肌で感じる瞬間が沢山あった。インフラの整った東京はどの県よりも住みやすく、住んでるだけで少しステイタスが上がった様な高揚感があった。また逆に、インフラの整ってない地方都市の課題にもたくさん気づく事があった。

致命的な5つの格差

地方と都会の格差については、大きく5点ほど感じたのですが、①通信回線の速度②マスメディア③観光流入数④地域ブランド⑤労働人口 これが主たる要因であると考える。

①通信回線速度・・・これについては今のような高速通信回線も無線LANも無かったので、有線回線は基地局からの単純な距離が速度差に繋がる。田舎に行けば行くほど速度が遅かった。ただ、現代はほぼ無いに等しくなってきている。

②マスメディア・・・これは在京キー局と地方ローカル局では、そもそも視聴者数が比較にならない。例えば、自社のビジネスをメディアに取材して貰おうと思っても、地方までわざわざ来るメディアなんか居ない。逆に東京近郊であれば、取材をして貰える可能性は山ほどある。

③観光流入数・・・他県から観光等で県内で消費をしてくれるお客さんはとてもありがたい存在です。その数も地方ビジネスにとっては、地元客とは別の購入者層になるので重要です。観光流入数は、全国的に見ると県の人口の10倍程度と言われています。人口100万人の都市なら、1,000万人の観光流入数だと考えられる。

④地域ブランド・・・食、文化、歴史、体験など地方における様々な特色は、そのエリアの魅力として格付けされる。例えば四国地方と言えば、讃岐うどんや鰹のタタキなどが有名です。比べて九州地方と言えば、明太子や豚骨ラーメンやもつ鍋が有名です。この2つを比較するなら、どちらが人気あると感じますか?私なら九州グルメの方が興味をそそられます。個人差はありますが、その地方の持つ優位性の格差は存在します。

⑤労働人口・・・言わずもがなですが、人口が多い都市の方が働き手を確保し易いはずです。ビジネスにとって1番大切な働き手が確保出来なければ、そもそもビジネスは立ち行かなくなります。地方都市はこの傾向が顕著になってきています。

人が集まる場所で商売する、これビジネスの鉄則

 例えば、私が鯛焼きを始めよう思い立ったとします。近所の美味しい鯛焼き屋が廃業するので、店主に頼んで鯛焼き器とレシピを買い取りました。いざ開業場所を探す時、東京原宿竹下通りと、どこかの小さな離島ならどちらを選びますか?って話です。単純に人が多く集まる場所で商売した方が成功する確率が高いに決まってます。どんなに美味しい鯛焼きを焼けても、お店の前を1時間に1人しか通らない場所ならば商売にはなりません。

 余談ですが、大学を卒業し東京を離れ、地方都会で働いてた時、東京に住む大学の同級生たちが遊びに来た事がありました。東京生まれの友人は、東京から電車を乗り継ぎ5時間掛けて来ました。もちろん初めて来た場所であり、移動が大変だったと言ってました。折角遊びに来たので、その土地でしか食べれない料理や観光名所を巡りました。みんな喜んでくれましたが、1番喜んだのは深夜に国道でした。両側4車線のそれなりに大きな幹線道路なのに、閑散として車が全く走って無かったんです。停車して路肩に車を寄せて車外に出て、友人たちは道路の真ん中に寝転び「道の真ん中で寝れるぞー!!」とはしゃいでいました笑

地方都市は、その土地の特色があり都会から来た人には新鮮に感じるものです。実際に来訪するとその魅力を感じることが出来るのに、アクセスが悪いことが致命的なんです。この魅力を発信する事が出来たら、地方はもっと豊かになると強く感じました。そして、あちこち住んだ経験から、どんな地方にもそこにしか無い魅力があるのに住んでる人たちはその魅力を知らない。外から観る目線でビジネスを考えると、もっとビジネスの幅が拡がると感じます。

人がいないのを逆手に取る

ビジネスの鉄則から外れる様ですが、人が少ないエリアだからこそ戦える方法があると思います。それの1つが「ふるさと納税」です。ふるさと納税とは、地方自治体に寄付をすると返礼品として、地方の様々な産品が貰える制度です。地方だからこそ、美味しいお魚や美味しい地酒など、買ってみたくなりませんか?私はすべての人にとって、とても良い制度だと思います。都会と地方を繋ぐ絶好の機会になりますし、格差を縮める可能性を感じます。その証拠に、新聞記事で「東京23区 ふるさと納税で540億円超流出」なんて記事を見つけました。これは大きなビジネスチャンスとして、地方ビジネスのエンジンになる予感がしています。

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